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2005  Vol.08 手前味噌仕込み会

2006月2月25日(土)  
千葉・八日市場「みやもと山」斉藤さんの家  
text:冨山普
Photo:高場優子 清土
奈々子



今日まで何度、渡邊さんの“手前味噌”という言葉を聞いただろう?
いつから自分が手前味噌という言葉を使い出しただろう?
手前の話ですいません。去年6月18日、当時僕はテレビ番組の制作会社勤務。
トージバとの出会いはトージバを主役にしたドキュメンタリー番組の取材がきっかけだった。
そして、その日トージバのメンバー、斉藤さん、ふみ子さん、ふかふかの畑、
美味しい大豆“小糸在来”と運命的な出会いが出来たのだ。
そして月日は流れ年も変わり、1年を通して見て来た小糸はその子供たちをたくさん宿し、
そしてこの日、その子たちは味噌へと生まれ変わろうとしている。
「大豆が繋ぐ縁」まさにそれだ。何だこりゃ、渡邊さんの言葉がどんどん本当になっていくよ。


みんなで蒔いたあの大豆!
みんなで育てたあの大豆!いよいよ手前味噌仕込みです!


命って何かを考えました。
ぼくの命、ぼくの大切な人の命、遠い国の人の命、その国と戦っている国の人の命、植物の命、人以外の動物の命
「命」それは“食べること”、“奪うこと”、それと“敬うこと”かなと思いました。この三つが欠けちゃうと
良くないんだなと思います。
命は食べること無しに奪う無かれ。
命は敬うこと無しに食べる無かれ。
命は敬うこと無しに奪う無かれ。

この日、去年の6月18日に斉藤さんとのありがたい縁で蒔くことの出来た大豆たちが味噌に生まれ変わる。
味噌作りは斉藤さんのお宅で。斉藤さんのお宅には、味噌仕込みの加工場や、発酵から熟成のための土蔵がある。
土蔵は厚い土で出来た壁。夏は涼しく、冬は暖かい。年間を通して温度変化が急激に変わらないのが味噌の成長に
いいんだって斉藤さんが教えてくれました。そうか、味噌ってやつは生きているんだな。

そんな風に思って始まった味噌仕込み。味噌ってやつは本当に生きているんだと教えられた一日になりました。






前日から一晩、水で戻された大豆たち。乾燥した状態の倍くらいの大きさ。そう、枝豆くらいの大きさになります。
今年の大豆は発芽ぎりぎりの感じ。栄養抜群になってそうです。これを圧力釜で一気に炊かれてゆきます。
炊きあがった釜から大豆を上げると味噌の加工場はもうもうと立ち昇った熱々の甘い大豆の湯気で一杯になりました。



 




この日集まったトージバメンバーは13人、いよいよ味噌仕込みの始まりです。
味噌の作り方。簡単に説明すると、煮た豆に塩と麹を入れて挽き、空気を入れないように樽に詰めて
発酵させ、熟成させる。けどこれがなかなか奥深い。発見もいっぱいある。皆さんは寺田本家のどぶろく仕込みには行かれましたか?僕は行けなかったのでサイトからレポートを読んだのですが、お酒の仕込みも、味噌の仕込みも本当に似ているんですね。味噌作りの時もやっぱり麹は丁寧に丁寧にほぐしていきます。この麹、斉藤さんのとこのお米が原料。そのお米を斉藤さんとこにあるオーダーメードの麹製造機で麹に変えたものを使います。
炊きあがった大豆はゆっくり人肌くらいの温度まで外気で冷まします。これもどぶろく作りの時と一緒で、麹はあんまり高い温度には強く無いんだそうです。だいたい40℃くらい。この温度だと麹も調子が良いようで、しっかり適温に冷ました大豆によーくほぐした自家製麹とモンゴルの岩塩を混ぜていきます。岩塩はサラサラに砕かれたものです。これらをミンチにします。ひき肉を造る機械を想像して貰えるといいと思います。ミンチにする機械からはちょうどコロッケの中身に似たものが出てきます。これを一つ一つみんなでソフトボールくらいの大きさの味噌玉に手で丸めていきます。手前味噌にする為にはやっぱり自分の手や手間をかけないといけないんですね。どぶろく仕込みじゃないですがやっぱりここでも「思い」こもるのです。






 


丸めた味噌玉はビニールの敷かれた樽の中に勢い良く叩きつけられていきます。みんな想い想いに力いっぱい樽に
叩きつける様はなかなか盛り上がるものです。楽しかったなぁ。なぜ叩き付けるか?それは空気を抜くためなんです。味噌は発酵段階でどうしても周りにカビがつきます。これは栄養の証拠だし、衛生的にはカビの部分さえとってしまえば中身は美味しいお味噌です。でも少しでも空気に触れる面積を減らすために樽詰めの段階でしっかり空気は抜いておきます。樽詰めが終わると最後に塩を満遍なく上にかけて平にならし、1樽完成。これを6回繰り返しました。


斉藤さんのところの味噌は「おしゃべり味噌」という名前なのご存じですか?味噌仕込みって面白いんです。この日もみんな真剣かつ楽しくおしゃべりしながらの作業。トージバの味噌も美味しい「おしゃべり味噌」になってくれそうです。今回、お越し頂けなかった方も是非是非お楽しみにしていて下さい!!








☆斉藤さんちのもの凄い循環。
皆さん、ミネラル分を補給する為に海水や原塩を田んぼに撒くという話を聞いたことありますか?
田んぼに塩分って大丈夫なの?そう思う方も多いと思います。けれどこれ、結構沢山の方がやられているそうです。しかし、斉藤さんのところはひと味違うのです。いや、ひと味違うのでは無く、実は味噌味なのです。
上でご紹介した斉藤さんのお宅には土蔵があり、毎年毎年仕込んだ味噌が使いきれずに溜まっていく分があります。これはこれで古味噌として使えるものもありますが、味が悪くなってしまったものを斉藤さんは田んぼに撒きます。元が最高の大豆と麹と塩で出来たお味噌です。斉藤さんは海水なんかよりずっと栄養があるとおっしゃいます。実際、水田に撒くと味噌を食べる大量のミジンコや糸ミミズが発生し、それらが排泄し、それらを食べる小動物が排泄し、と繰り返す中で大きな食物連鎖が出来てきます。これが斉藤さんのところのお米のおいしさの理由の一つのようです。そしてそこで育まれたお米がまた次の年の味噌仕込み用の麹へと生まれ変わっていくのです。まったく無駄の無い、エコロジカルな発想。けれど数えられないほどの生命を巻き込んだダイナミックな営みの中で僕らの味噌も出来ている。そう思うとなんだかわくわくしてきませんか?


 



2005年度の大豆レボリューションは、
この手前味噌仕込み会をもちまして、ひとまず終わりです。
斉藤さん、鴨川の杉山さん、そして、参加された皆様
1年間ありがとうございました。

そして、今年2006年度の種まきもは、
現在の千葉に加え埼玉、東京など
3カ所が加わり合計5カ所になります。
種大豆オーナーの募集開始は4月1日から始まります。
また今年も畑で会いましょう!




 





 
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